水力発電は、日本の国土に最も適った発電であります。それは、水という自然エネルギーを山々が雨に変え、谷が雨を川とし、落差で川と水路が私たちの身近に届けてくれています。太陽光・風力では、降り注ぎ吹き渡り、これを集めるにスケールが求められるのです。そして日暮れと無風・突風という自然条件に左右されてしまいます。小水力からマイクロ水力レベルでの水力の活用は、古く明治期より始まりながらも、地域ごとの電力会社の充実により、顧みられることなく放置されてきました。今ここで地域資源として、地域の再生・活性化に寄与いたします。
マイクロ水力発電実証会とは、再生可能エネルギー分野の小水力発電にあって、とりわけマイクロと称される30kwから10kw程度を目途とした水力発電を実現させてゆく社団法人です。当会では、渓流や河川だけでなく、これまで省みられなかった水力が豊富で流速はあるが落差の無い用水路まで、その有益性を開拓することを目指します。
全国では、数10万kmを超える用水路が運用されています。私共は、一つの用水路全体をトータルに電源化を目指します。用水路の様相は落差が有る・無いもの、流量の大・小、流速の高・低と千差万別です。これらの条件に適う発電機器の提唱・提案を進めます。1000kw以下から数百kwといった小水力発電では、採算性重視・大規模電気事業社主導といった地域とは隔たった事業となりがちですが、マイクロ水力発電では、売電のみに偏らず地域に密着した電源としての地産・地消を主体とします。何に使うのか、どの様に利用するかに至るまで、提案します。
これまでにも、マイクロ水力発電を想定する様々な発電水車・機器が開発されてきましたが、設置条件への合致・不一致、メーカー間の情報不足から縮小・撤退が見られます。今後は情報収集・機器メーカーとの協調を図り、用水路の形態・状況に適った機器の提案をいたしますと共に、マイクロ水力発電に向けた機器開発を促してマイクロ水力発電の拡充・発展を目指すものです。
マイクロ水力発電、並びに小水力発電のご検討をお考えの自治体の皆様、土地改良区の皆様にとっての一助となります様、活動を広める考えにて、皆様の声をお待ちいたします。
一般社団法人
マイクロ水力発電実証会
理事長 西谷 正